この恋に名前をつけるとするならば
「せんい、きんつうしょう?」
初めて聞く病名に命くんもわたしも頭の中がハテナだらけになる。
すると郁人さんは、"線維筋痛症"に関する症状が書かれた紙を渡しながら、説明をしてくれた。
「線維筋痛症は、あまり聞き慣れない病名かもしれないけど、意外と患者数は多いんだ。原因はまだよく分かっていないけど、ストレスから発症する人が多い事は分かってる。」
郁人さんがそう言ったあと、命くんはわたしの代わりに「この病気は治るんだよな?」と訊いてくれた。
しかし、郁人さんの口から出てきた言葉は、わたしを絶望へと落とすものだった。
「残念ながら、今の医療で完治させる事は出来ないんだ。」
「えっ?!じゃあ、難病って事かよ!」
「いや···、それがさっきも言ったけど、思いの外、患者数が多い為に指定難病にはなってないんだ。」
「何だよ、それ!」
今の医療では、完治させる事が出来ない···―――――
それって、治らないって事なの?
「ただ、完治は難しいけど、寛解に向けての治療は出来るよ。無理をせず、薬で痛みをコントロールする治療になるね。」
郁人さんの言葉を聞き、わたしは心がガクッときてしまったが、それよりも心配なことがあった。
「あ、あのぉ···、仕事は·······」
「仕事は、今の状態で続けるのは難しいかな。」
「でも、わたしが休んでしまうと···」
「麗月さん。自分がこんなになってまで、仕事の心配をする必要はないよ。麗月さんの身体は、一つしかないんだからね?」
郁人さんにそう言われ、納得してしまうわたし。
でも、仕事せず···わたし、どうやって生活していけばいいのだろう。