この恋に名前をつけるとするならば
麗月···、俺と結婚するか···―――――
その雅の言葉が頭の中をグルグルする。
わたしは一日中、ベッドの上で過ごし、ぼんやりとしていた。
雅はあの言葉を言ったあと、驚きで困惑するわたしにこう言った。
「俺なら、麗月を支えていける。俺さ、日本を拠点にして活動していく事にしたんだ。事務所も自分で立ち上げてやってく。麗月には、生活の心配なんかさせないよ。まだあんな中途半端な男になんか、負けねーよ。」
雅はそう言って、わたしの答えを聞く前に「また来るな。」と帰って行った。
わたしは···、どうするべきなんだろう。
わたしが好きなのは、命くんだけ。
その気持ちは変わりない。
でも、わたしが居る事で命くんに迷惑をかけてしまうなら、それはただのわたしの我儘になってしまう。
それなら···、わたしが頼るべきなのは、命くんではなくて···――――
そんな事ばかり考えていたら、わたしの頭は考える事に疲れ、眠りに落ちてしまっていた。
夢に出て来るのは、命くん。
あの日が、わたしの中で一番最高に幸せな一日だった。
あの日が、最初で最後の最高の日で終わってしまうのか······
"···ッ、ピンポーン!ピンポーン!"
家に鳴り響くインターホンの音で目を覚ます。
起きた瞬間に強張り痛む手に顔をしかめながら、わたしはゆっくりと身体を起こした。
閉まるカーテンの隙間からは光がこぼれている。
(もう次の日?何時なんだろう。)
その間も鳴り続けるインターホンに、わたしは痛む身体をゆっくりと前へ進め、やっと玄関まで辿り着くと、部屋着に寝癖で髪の毛がボサボサの酷い姿で玄関の扉を開けた。
その先に立っていたのは、珍しい過ぎる訪問者だった。
「あ、芽衣さん。」
何度もインターホンを押し、今日も不機嫌そうにわたしを見つめていたのは、芽衣さん一人だった。