チョコレートに想いを込めた日、親友は消えた
 翌日。
 教室のドアを開けると、小倉が走って近づいて来る。

「日高! もう大丈夫なのか?」

「あぁ、うん。心配ありがとう、保健室も来てくれたみたいで」

 頷くと、小倉はほっと息を吐く。

「気にするなよ。なぁ、ちょっと今いい?」

 俺の手をそっと掴んで、小倉は廊下を出て前に進む。空き教室のドアを開けて、中に入た。

「どうしてこんなとこに」

 ドアを閉めて、俺は近くの席に腰を下ろす。隣に座ると、開口一番に小倉は言う。

「和哉を殺したのは生徒か教師だ」

 息が詰まる。

「は……何で。あいつは恨まれるような奴じゃ」

 和哉は優しい。いじめられている奴がいたら真っ先に助けたり、学級委員が決まらなかったら手をあげたりする。成績も運動神経も良くて、ゲームもそこそこ好き。全生徒に好かれている、たぶん。

「あぁ、慕われてるからこそ、恨む奴がいる」
 
 嫌な予感がして、頭に手を当てる。

「誰かと口論になって……? それか、弱みを握って、口封じで」

「たぶんな。日高、俺らで調べないか」

 絶句してしまう。

 やりたい。でもしたらどうなるんだ。

「ダメだろ、そんなことしたら」

「でも一泡吹かせたいだろ」

 思わず、じっと小倉を見てしまう。その通りだ。

「っ、やるなら本気で。舐められたら終わりだ」

 息を呑んで立ち上がる。

「もちろん。よろしくな、留喜」

 小倉が差し出した手をぎゅっと握る。

「うん。奏と俺で見つけよ」
 そうしないといけない気がする。
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