私の従者は…

1.

「お嬢様」
その声を聞くたびときめいた。

「お嬢様。お嬢様!いい加減起きてください!学校に遅刻しますよ」
「んっう〜ん…もうちょっと」
「いい加減起きないとどうなるか分かりませんよ」
と耳元に囁いてきた。
「はっ。もう起きた!」 
その言葉で飛び起きた。
「おはようございます」
私は西園寺 凛(さいおんじ りん)高校3年生。由緒正しき西園寺家の1人娘。
イジワルに耳元に囁いてきたのは吉田 伊織(よしだ いおり)だ。私と同じ高校3年生で彼の父親の代からこの家に勤めてくれている。彼の父親は私の父親の従者で伊織が私の従者、そして秘密の関係。秘密の関係というのはそれ以外なんと言えばいいか分からないからだ。お互い好き同士ではあると思うが私が好きと言っても軽くあしらうくせに自分の気が向いた時はさっきみたいな意地悪なことをしてくる。しかも毎回私がねだれば軽いキスもしてくれる。なんとも思っていない相手にたとえねだられたとしてもキスなんてするだろうか。箱入り娘として育てられた恋愛経験のない私には分からない。でも私がお嬢様だから主人には逆らうなと叩き込まれた伊織は逆らえないだけなのかもしれない。そう思うと落ち込む。分からない…
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