最愛の灯を吹き消す頃に。
休校日でもやっぱり部活をしている生徒達が沢山居るから学校への出入りはスムーズにできた。
制服を着ていれば怪しまれることなんてまず無い。

急いで上靴に履き替えて屋上までの階段を駆け上がる。
帰宅部の私はもちろん運動不足で、五階分の階段ダッシュは肺がパンクしそうだった。

最上階までなんとか辿り着いて喘ぐように酸素を求めた。
朝夕はもちろん、日中でも日陰や、風が吹くと肌寒さを感じるようになった。
そんな中で久しぶりにじんわりと汗をかいている。

思った通り屋上の鉄扉は開放されたままだった。

スッと屋上から続いている新校舎へのドアは閉まっている。
吹奏楽部が練習で演奏する時は防音対策で閉められていることが多い。

完全に聴こえなくなるわけではないから、ちょうど演奏中らしい楽器の音色が聴こえてくる。
クラシックの知識が無い私には曲名までは分からなかった。
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