最愛の灯を吹き消す頃に。
「俺はね、どこまで言ったって母さんの息子なんだよね」

「それはそうだけど…」

「何をされたって、どう思われていたって、情けなくったって、愛されたかった」

「当たり前だよ。家族だもん。だってちーくんの命はお母さんが与えたものなんだよ。それなのに愛されないなんて苦しいよ」

「でももうだめだ」

「何があったの。また痛いことされたの」

「目に見える傷ならまだ平気なんだよ。いつかは消えるからね。消えたら完治したんだって思える。目に見えない傷はどうしたらいい?ズクズクって、いつまで経っても疼くんだ。記憶は消せない。いつまでも痛い」

「悲しいこと言われたの?」

「無くなっちゃったんだ、全部。小説、壊されちゃった」

「小説を…壊された、って」

「パソコン。壊された」

「そんな!…お母さんがやったって証拠があるの?」
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