最愛の灯を吹き消す頃に。
「お母さんがそれを話したの?」

ちーくんがロングTシャツの袖を捲った。

そう言えばちーくんは制服を着ていない。
考える余裕もないまま飛び出してきたのだろう。
腕には″新鮮″な痣が紫色に主張している。

「怖かった。まるで罪の意識も湧いてない口調で事実を話して、泣きながら殴られた。私の子どもは愛されないのにあいつの息子ばっかりって。やっぱり何もかもお前のせいだって」

ちーくんの腕をそっとさする。
冷たい腕。
痣も心臓の灯も凍えてしまいそうな色をしている。

「でもそれでなんで小説を壊されなきゃいけないの」

「俺と父さんが繋がってるんじゃないかって疑心暗鬼。俺達で口裏合わせて母さんを不幸にしようとしてるんだろって。俺のスマホは俺が持ってるし、それならパソコンに証拠があるはずだって」
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