最愛の灯を吹き消す頃に。
「何が…」

「一回挫折して、これはちーくんのせいじゃないのになんか自分の弱さに負けた感じ出してさ。この先やってける自信がないからってやめたいならやめればいいじゃん。やめちゃいなよ、もう二度と戦えない夢ならさ!だからって死ぬことないでしょ!?ちーくんのせいじゃないのに、ちーくんはなんにも悪くないのに悔しくないの!?私だってそうだよ。この命は両親が与えてくれたものだよ。でも今、今は私を生きてあげられるのは私だけでしょう?私には意志がある。譲れないことも、希望も、守りたいものだって私の中にはあるんだよ。今の私の命は私の責任なんだよ。だったら力じゃなくていい。未来の希望でも夢でもなんでもいいから見返してやろうよ。どんなに虐げられたって自分で幸せを掴むことがちーくんにはできるんだって証明してやってよ…悔しいよ私…」

「なんでニーナが悔しいの。それに俺死ぬなんて…」

「だったら寒いの?」

「寒い?」

ちーくんの胸に手のひらを当てる。
服の上からじゃ鼓動は感じない。
灯は相変わらず、吹き消してしまえそうなほど細く揺れている。

「心が寒くて震えてるの。生きることへの希望が何も感じられない」

「俺次第なんてしんどいよ」

「…しんどいね」

「いっそ死が決まってたほうが安心する」

「分かるよ」

「生きたくても生きれない人がいるなんて綺麗事を善良ぶってもっともらしい表情で突きつける奴が嫌いだ」

「うん」

「死にたくても死ねない人だっている。この世界中、数え切れないくらいきっといる。でも死ねないから。生きるのだって死ぬのだって怖いから、でもどうせ死ねないから消去法で生きてきただけだ。死が決まっていればなんだっていいんだよ。どんな風に扱われたって、愛されなくったって、残りの時間をがむしゃらに生きられたかもしれない。でも俺次第ならもうどこまで走ればいいのか分かんないよ」
< 118 / 147 >

この作品をシェア

pagetop