最愛の灯を吹き消す頃に。
しばらくは心臓の灯から目を逸らして生きてきた。
全く見えなくなったわけじゃない。
気づかないふりをした。
私の最愛はもうこの世には居ないのに赤の他人の命なんてどうだっていいと卑屈になっていた。
日曜日。
映画を観に行こうってさゆみが誘ってくれたから、久しぶりにちょっとお洒落をして外に出た。
いつも渡っている赤い橋の脇には桜の木が並んでいる。
はらはらと、うすい桃色の花びらが橋の下の川に舞い落ちていく。
橋を左に曲がる。
あの日、助けたおばあちゃんのことを思い出した。
それから走馬灯のように、階段から落ちる可能性があることをお兄ちゃんに教えなかったこと、
佐々木さんの体調不良、クラスで「魔女裁判」にかけられたことが次々と脳内を駆け巡っていく。
どんな時でもそばにはちーくんが居てくれて、さゆみが大丈夫だよって笑ってくれていた。
この性質を憎んでいた。
人の死を見送るだけの毎日。
今だってそうだ。
結局最愛の命すら、救うことが私にはできなかった。
だけど感じたはずのことを今、思い出そうとしている。
全く見えなくなったわけじゃない。
気づかないふりをした。
私の最愛はもうこの世には居ないのに赤の他人の命なんてどうだっていいと卑屈になっていた。
日曜日。
映画を観に行こうってさゆみが誘ってくれたから、久しぶりにちょっとお洒落をして外に出た。
いつも渡っている赤い橋の脇には桜の木が並んでいる。
はらはらと、うすい桃色の花びらが橋の下の川に舞い落ちていく。
橋を左に曲がる。
あの日、助けたおばあちゃんのことを思い出した。
それから走馬灯のように、階段から落ちる可能性があることをお兄ちゃんに教えなかったこと、
佐々木さんの体調不良、クラスで「魔女裁判」にかけられたことが次々と脳内を駆け巡っていく。
どんな時でもそばにはちーくんが居てくれて、さゆみが大丈夫だよって笑ってくれていた。
この性質を憎んでいた。
人の死を見送るだけの毎日。
今だってそうだ。
結局最愛の命すら、救うことが私にはできなかった。
だけど感じたはずのことを今、思い出そうとしている。