最愛の灯を吹き消す頃に。
郵便局を越えたらすぐに見えてくる、私とちーくんの分岐点。
坂を登ればちーくんの面影に逢えるかもしれない。

公園からは子どもたちの声が聞こえてくる。
ふと目を向けるとあの日と同じ、滑り台の着地点でもある砂場に懐かしい小さい背中を見つけた。

「エマちゃん」

「…おねーちゃんっ!」

私を認めてから立ち上がったエマちゃんがギュッと膝に抱きついてきた。
白いロングプリーツスカートを履いていた。
砂いじりをしていた手で汚されたちーくんのカッターシャツを思い出した。
私のスカートも汚れてしまったけれど、この感情はなんだろう。
隣で「もう、エマぁ…」って呆れるちーくんが苦笑してくれているようで、胸がグッと熱くなる。

「一人?」

「そうだよ」

「ママは?」

「ジュースかってきますって」

「そう」

今日はお母さんが公園に連れてきたのか。

お母さんの中でも何かが変わり始めていることを喜ぶべきなのか、
でもやっぱりほんのちょっとだろうがエマちゃんを残しておくことを憂うべきなのか、よく分からなかった。
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