最愛の灯を吹き消す頃に。
ちーくんを、最愛を失くした今。
夢も目標も分からない。
何が私の希望になるのか、この性質を与えられた私にこれ以上何ができるのか分からない。

それでも私は生きていく。

いつかさゆみが言ってくれた、人の心に寄り添う仕事だとか、
誰かを救える人になるんだとか、そんな漫画のヒーローみたいな未来が、最愛の灯を吹き消した私に許されるのか。

ちーくんが居ない世界を認めてしまうことはまだ怖いけれど、今はただ「生きる」をしてみようと思う。

私には私の心臓の灯は見えない。

私の命が危険に晒されているのか、それとも私次第なのか。
誰に見てもらうこともできないけれど、私は私を生きていこうと思う。

自分の生殺与奪に責任を持とうと思う。

あなたが教えてくれたあなたの夢がこの世界で叶うことはもうない。
一文字も読めなかった文字に、惜しいなぁ、いつかきっと触れてみたかったなぁって想いを馳せながら。
あなたが見ることのできなかった未来に辿り着くことが、今はせめてもの最愛へ贈ることのできる最後の愛なのかもしれない。

「いつかきっと、この世の尺度では測ることのできない、とびきりになろうね」

「おねーちゃん、なぁに?」

「ううん。なんでもない。エマちゃん、また遊ぼうね」

「うんっ!」
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