最愛の灯を吹き消す頃に。
「そりゃ見てたら分かるけどぉ」

「彼氏になってよって言ったら契くん、恋愛してる暇なんて無いからって!」

「だからそれは、わざわざ言うことじゃないけどいろいろ忙しいんだよ。彼女が居ても時間作れないなら失礼だろ。そんな傷つけるようなことできないから」

「真中さんには時間作ってんじゃん」

「なんでニーナ…」

「いっつも一緒に居るじゃない!一緒に帰ってるのだってみんな知ってんだからね」

「家が近いからだよ」

「ばかにしてんの?見てたら分かるよ。真中さんのこと特別扱いしてるじゃん。大体二人が付き合ってないとか言ってるのだって意味分かんないし。なんかそういうの見てたら結局女子にモテたいだけなのって思っちゃうよ」

「桑原さんちょっと言い過ぎかもぉ…」

立ち上がって桑原さんの肩に触れたさゆみの手を桑原さんが乱暴に(はた)いた。

それを見たちーくんが聞いたこともないような低い声で「理解されなくてもいいよ」って言った。

「は、なんでそんなん言うの…」

「分かった。じゃあ本音言うね。彼女は作らない。ましてや本当に好きでもない子と、君が本気だろうが遊びだろうが俺は付き合ったりしない」

「ひっど…」

「仲良くしてくれるのは嬉しいよ。でも本当に今は恋愛よりも優先しなきゃいけないことがあるんだ。それをいちいちみんなに話そうとは思わない。だって俺の事情なんてみんなの暮らしには別に必要ないからね。だけどニーナには話してるよ。会話をする時間が確かに多かったからね。会話を、したんだよ。ただのその場限りの時間潰しなんかじゃない。ちゃんとお互いのことを話して、何を大事にしているかも理解し合ってる。彼女とか彼氏とかそういうのだけが大事なの?それってあまりにも寂しいじゃん。それってさ、俺が男だから好きなの?ただ人として、大事には思ってくれないの」

「それは…」
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