最愛の灯を吹き消す頃に。
「ちょっとあんた達ー!何騒いでんの」

もう少しでお昼休みが終わろうとしていた。
次の時間も九条先生が担当の英語ではないから、そういう時は先生はしばらく教室には立ち寄らない。

「わぁ、先生!」

「他のクラスからうちが喧嘩してるかもって聞いたのよ。なんかあったの?」

「違います。俺がちょっと掻き乱しちゃっただけで」

「何、収拾つかない感じ?指導室行く?誰と誰」

「大丈夫です!」

「桑原さん?」

「もう大丈夫なんでっ!」

桑原さんはまた大股で教室を出ていった。

「ちょっとっ…!」って戸惑いながら後を追う九条先生。
教室に残された生徒達とちーくん、それから私の間に変な空気を残しながらお昼休みが終わる予鈴が鳴った。

「新凪、落ち込まないの」

「でも…」

「元宮くん、いいこと言ってたじゃん。事情が分かんないから意味は分かんないけどさ。でもいいこと言ってたよ」

ニッと笑うさゆみの顔に自然と口元が綻ぶ。

ちーくんがみんなの前で公言してくれたことは嬉しかった。
あの言葉を全員に理解してもらうことは難しいと思う。
だけどこうやって分かろうとしてくれる人はきっと居る。

それが叶わないことだとしても私がちーくんを手放すという選択にはならない。
誰よりも私が強く居なきゃ。
じゃなきゃ私の覚悟なんてゴミみたいなもんじゃんか。
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