最愛の灯を吹き消す頃に。
「さっきはごめん」

「昼休みのこと?」

「うん。カッとなって言い過ぎた」

「謝ってくれるとしたらちー…元宮くんにじゃないかな」

「いいよ。″ちーくん″で。そう呼んでんのみんな知ってるし気遣われるほうが気持ち悪い」

「ごめん」

「謝って欲しいんじゃなくて!…ああもうごめん。謝ってんのはこっちだっての」


「ごめ…あ、ごめん」

「…もう。調子狂うな。契くんにも明日謝るよ。でも真中さんにも酷い言い方したから」

「桑原さんのっていうか、みんなの総意だと思うよ。みんな、私達の関係って変だなって思ってたと思う」

「変だなって思うよ、正直。呼び方もそうだけどさ。明らかに特別扱いっていうか、他とは違うくせに付き合ってませんとかちょっと意味分かんないし。だからって恋愛する時間なんて無いとか、中学生が何言ってんのって感じ。あたしも中学生だけど」

「ちゃんと話してもらわなきゃ分かんないよね」

「だからムカついて冷静になれなかった。みんなの前であんな言い方してごめん」

立ち止まって桑原さんを見つめる私に、桑原さんも訝しそうな顔をした。

「何?」

「いや、桑原さんって大人だなぁって思って」

「何そっちが冷静になってんのよ!」

「私だったらそんな風に謝ったりできないかもなって思ったの。桑原さんが抱いた感情が正しいと思う。なのにこんな風に謝ってくれてなんか逆に申し訳ないよ」

「はあ…。ほんと真中さんって読めないよね」

「そうかなぁ」

「そうだよ。やっぱりちょっとイライラする」

「え」

「嘘だよ、八つ当たり!」
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