最愛の灯を吹き消す頃に。
「ハンバーグ…」

「ハンバーグ?」

絞り出した声でそう言った私にお兄ちゃんが不思議そうに言い返した。

家族がかけてくれた言葉になんて応えればいいか、今はまだ分からない。
私はもう大丈夫だって言い切る自信はない。
それでも、変わらないと思っていた日常に家族を取り戻せるのなら。
呪いだと思っていたこの性質を、命を救うためのギフトだっていつか愛せる時がくるのなら。

ここから家族と一緒に、未来を見直せるかもしれない。

「お母さんのハンバーグが食べたい。あの日以来の」

「そうね。ハンバーグは随分作ってないもんね。じゃあ買い物行って、ハンバーグ作ろっか!」
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