最愛の灯を吹き消す頃に。
「よしよしのご褒美をあげましょう」

ちーくんが私の頭をぽんぽんと撫でた。
通学路では下校中の子ども達や通行人といっぱいすれ違う。
ちょっと恥ずかしいけれどやめてって言うのが惜しかった。

「人に見られてるよ…」

「見られてないとこなら平気?」

「んんっ…!その聞き方やだ」

「なーんでよ」

「なんかやだ!」

「照れ屋さんー。ね、ニーナ」

「何!」

「ニーナはさ、自分の心臓の灯は見えないの」

「見えないよ」

「鏡越しでも?」

「そういえば考えたことなかったけど。自分の灯は見えたことないね」

「だから危険なことでもやっちゃうの」

「おばあちゃんを助けたこと?」

「うん。もしもニーナが自分の灯も見えててさ、車に轢かれちゃうサインが出てたら…」

「それでも私は助けてたよ。…って、実際にそうだったわけじゃないから口ではなんとでも言えるんだけど。それでも助ける人でありたい。じゃなきゃこんな風に生まれた意味がないから」
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