おひさまからのラブレター
 それからもおひさまは、手紙を書き続けています。 

 おつき様の姿を見かけるたび、あふれる想いを込めて、世界をあんず色に染め上げます。

 会うことができずも、そのことを諦め今もまだ手紙を書きつけています。

 そんなおひさまを見て、森の動物たちは「会えないなんて、かわいそうに」と悲しくなりました。すると、おひさまはふんわりと微笑んで、こう答えたのです。

「みんな、空を見てごらん。もしも夕焼けがあんず色に染まっていたら、それは悲しい色じゃないんだよ。僕がとっても幸せだっていう、証拠なんだ」

 大好きなあの方が、今日もどこかで輝いている。

 想い続けられる相手が、この世界のどこかに存在する。

 ただそれだけで、おひさまの胸はいっぱいになるのです。

 春のぽかぽかとした陽だまりは、おつき様への「お見舞いの手紙」。

 夏の夕暮れに架かる虹は、あの方を驚かせ、喜ばせるための「贈り物」。

 秋の空に広がる鰯雲は、想いを綴った「長い長い手紙」。

 そして冬の冷たく澄んだ空は、おつき様が凍えないようにと願う「祈りの手紙」。
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