おひさまからのラブレター
 長い時が流れ、森の木々が変わり、川の流れが変わっても、夕暮れ時にはいつもあんず色に染まります。  

 それは、おひさまの恋が今も瑞々しく続いている証なのです。

 おつき様もまた、静かに輝きながら、そのラブレターを読んで優しく微笑んでいます。

 おひさまが沈み、世界が静かな夜に包まれるとき、おつき様は届いたばかりの「あんず色のお手紙」を胸に抱きしめます。

 おつき様が銀色や真珠色に輝くのは、最もきれいな姿を、おひさまにみてもらいたいから。

 おつき様が、いちご色に染まるのは、お手紙の美しさに胸を震わせているから。

 草花を濡らす夜露は、おひさまの健気な想いに打たれて、こぼれ落ちた喜びの涙。

 おつき様は、会えない寂しさを銀色のベールに隠し、夜風にそっとお返事を託します。

 森の動物たちも、夜を飛ぶコウモリたちも、息をひそめてこの美しい「通じ合い」をそっと見守っています。
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