【完結】Dressyに恋をして

59

そして、いよいよショップ販売員売上戦が始まろうとしていた。
私、江波は、九条社長と東雲君と同じショップに配属された。

オープンと同時にお客さんが流れ込んだ。
Butterfly社の売上は今季も良さそうだ。

などと言ってる場合では無い。

九条社長と東雲君はすでにお客さんを捕まえている。

「いらっしゃいませ。
お客様には、こちらのダークブラウンのタイトワンピースなどいかがでしょうか?」
「そのフレアスカートとてもお似合いです。」

などと、二人は慣れた様子で売上を上げていく。

そんなこんなで週の終わりの金曜日、2人の売上は拮抗していた。
そんな閉店間際、あるお客様がずっと店内を行ったり来たりしている。

「お客様、こちらのフィットアンドフレアのワンピースはいかがですか?」

東雲君がサッとお客様に声をかける。

しかし、お客様はあまり良い返事をしない。

「お客様、新商品のスカーフはいかがですか?」

九条社長が言うも、お客様は浮かぬ顔。

どうしたものか?
私も色々とサジェストしてみるが、お客様はうんとは言わない。
一体何をお探しなのかしら?
その問いにもお客様ははっきりとは答えなかった。

諦めて、閉店準備をし始めたその時。

東雲君がセール品の中から、ツイードのワンピースを取ってお客様に持って行った。
< 59 / 66 >

この作品をシェア

pagetop