エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
「今日、凛太郎くんから追加の連絡があった」
航大くんが静かに切り出した。声のトーンが、少しだけ変わる。
仕事の顔とも、私と話す顔とも違うちょうど中間みたいな声。
「弁護士との相談が終わって、来週中に正式な手続きに入れそうだ。伯父さんの関係会社を通じた不正融資の経路も、ほぼ全部追えた。証拠として使える記録が揃ってきている」
「……そう、なんだ」
胸の中で、安堵と緊張が同時に広がった。終わりが近づいている。
でも、近づけば近づくほど、伯父が何かしてくるかもしれない——そんな予感もあった。
伯父は追い詰められた時ほど、予測のできない動きをする。
あの人の冷たい目が、頭の中でちらついた。
「はるちゃん」
航大くんが、私の頭をそっと撫でた。
「怖い顔してる」
「……してた?」
「うん。眉間にしわ」
彼は指先で、私の眉間をそっと伸ばした。思わず笑ってしまった。