エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
「悠南」
凛太郎くんが、私を見た。パソコンから顔を上げて、まっすぐに。
「一つ確認させてください。父さんへの告発に踏み切ることで、しばらくはいろいろと騒がしくなります。榛名家にも事情を説明する必要が出てくる。身代わりだったことも、正式に明らかになります……それでも、進めていいですか」
静かな、真剣な目だった。責めているわけじゃない。ただ、私の意思を確認している目だった。
私は少し考えた。騒がしくなる。榛名家に知られる。身代わりだったことが、全部明るみに出る。
父が何をしてくるかわからない。怖くないと言えば嘘になる。リスクはたくさんある。
でも、こんなにも集めてくれた人がいるのに怖いなんて言えない。それにもしかしたら、父に会えるかもしれないって思うと頑張れそうな気がした。
麗も、父も、クリニックのスタッフも、みんながずっと伯父の影の中にいた。それを終わらせるために、航大くんと凛太郎くんがここまで動いてくれた。私が怖いからと言って、止めることなんてできない。
「……はい。お願いします」
はっきりそう言うと、凛くんが小さく頷いた。その表情が、少し緩んだ気がした。