エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
でも、それだけじゃない。麗は“奪いたかった”と書いた。
正直に。言い訳じゃなく、自分の醜い部分を——「子どもの頃からずっと」という言葉まで添えて、ちゃんと書いてくれた。そうだろうなぁって思っていたし隠そうと思えば隠せたはずなのに、隠さなかった。
そのことが、なぜか——少し、楽にしてくれた気がした。
怒りは、まだある。あの結婚式の朝のことを、髪を切られた時のことを、麗が逃げた後に私が経験してきたことを、簡単には水に流せない。
でも、麗も追い詰められていた。自分で言い出した手前、引き返せなかった。
その気持ちは、私にもわかる気がした。言い出せなくて、引き返せなくて——それは私も、ずっとそうだったから。