従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。
「麗がいなくなった。だが、結婚式は五日後だ。すでに各界の重鎮を招待している。今さら中止など、楪の恥だ」
伯父の冷酷な瞳が私を射抜く。その目は私を一人の人間としてではなく、欠けたパズルのピースを埋めるための道具として見ていた。
「だから、お前が麗の身代わりになれ。同じ楪の血が流れているんだ、少し整えれば誰も気づかないし恋人だったのだから大丈夫だろう」
「……っ、そんな勝手なこと……!」
私は声を震わせたが、伯父は「明日、答えを聞きに来る」とだけ言い残し、嵐のように去っていった。
翌朝。
父は「俺が守るから安心しなさい」と私の手を握っていてくれた。その手の温かさに救われながらも、私の胸のざわつきは収まらなかった。
再び現れた伯父に対し、父は毅然と断ってくれた。私も、震える足で畳を踏みしめて立ちはっきりと言った。
……無理です、と。
だがなぜか伯父は意外なほどあっさりと引き下がり、それが逆に嵐の前の静けさのように不気味だと感じてしまう。
「兄さんは何をしてくるからわからない。未南もあいつに散々なことをされたんだ。一人で行動してはいけないよ。出勤も、俺かアスナ君と一緒だ」