従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。
「大丈夫……大丈夫だから。もう、覚悟は決めたの」
震える声で精一杯笑ってみせると、また凛太郎さんは泣きそうな顔で拳を強く握りしめた。
「……すまない。俺が……もっと早く麗を止めていれば」
彼は力なく項垂れた。その様子を見て「ごめんね」と言い、私は逃げるように部屋に戻った。
お父さんに、クリニックのみんな。そして――私の心に今も残る、あの人の面影。
五日後、私は彼の妻になる。相手は分かっている。あんな風に傷つけて、別れたのに……きっと、恨んでいるに違いない。
ふと窓の外に広がる夕焼けを見る。まるで私の希望を焼き尽くすように、赤く、赤く染まっていた。