従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。
向かったのは寝室。 凛太郎から悠南が来ると聞いたその日のうちに、以前のものをすべて処分して特注で買い替えた。
広々としたキングサイズベッド。 麗との生活など、最初から一秒たりとも想定していなかった。この広い場所は、最初から悠南というたった一人の女性を迎え入れるためだけに用意したものだ。
柔らかなシーツの上に、祈るような心地で彼女をそっと横たえる。 よほど心身ともに疲れ果てていたのか、悠南は深い眠りの中に落ちたままふわりとシーツの優しい香りに包まれて小さく身をよじった。
その無防備で愛おしい寝姿に、心臓の鼓動が否応なく速まる。
「おやすみ、はるちゃん」
切り揃えられた短い髪を、優しく、丁寧に撫でる。 熱を孕んだ瞳で、いつまでも彼女の寝顔を見つめ続けた。
これから一生をかけてその嘘も、怯えも、君の心に深く刻まれた傷跡も、すべて俺がこの腕の中で溶かしてみせる。 たとえ時間がかかろうと、どんな手段を使おうと君をもう二度と離さない。 離すものか。君は俺のものだ。永遠に。
俺は名残惜しさを振り切るようにして、静かに寝室を後にした。 リビングのソファに腰を下ろし、窓の外に広がる夜景を眺めながら、胸の奥で静かに誓いを新たにした。
彼女がこの偽りだと思っている結婚は、俺にとって本物の始まりだ。
これからは、俺が君を守る。すべてを。 君の笑顔も涙も弱いところも甘えたいところも、全部俺が受け止めて君を世界一幸せにする……必ず。