従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。
だけど私は身代わりだ。だから彼の言葉の裏に気付いたとしても気付いていないフリをしなくてはいけない。
彼の想いに応えてはいけない。だって、麗が戻って来たら私は居なくならなくてはいけないんだから。
だけど彼を欺いているという鋭い痛みが深くなっていく。けれど、それを跳ね返すほどの熱情で見つめられ、彼の瞳に絡め取られていく。
「何も言わなくていい。今はただ、俺に甘えていればいいんだ……すべて俺が塗り替えてやるから。……次はそれに似合う靴だ。その髪によく映える、アクセサリーを選ぼう。世界で一番幸せな奥さんにしてあげる」
航大くんは満足げに私の指を絡め取り、指の節々に、噛みつくような深い口づけを落とした。唇の熱が、じんわりと染み込んでくる。
一つずつ決まるたびに一つ、また一つと、麗の真似事が少しずつ消し去られていく。 私はその甘い罠に、抵抗しきれないまま、ゆっくりと沈み込んでいくのを感じていた。
この夫婦生活が始まって、私の心は、もう彼の色に染まり始めていた。
航大くんは私の手を離さず、試着室の鏡の前で再び私を抱き寄せた。 彼の指が私の腰を優しく撫で、耳元で熱く囁く。