従姉の代わりに結婚したら、救急医(元カレ)の執愛に捕まりました。
第7話 お弁当





 結婚式から数日が過ぎ、私は航大くんのマンションでの生活にも慣れて来ていた。
 クローゼットの扉を開けると、ここに来た時に持ってきていた麗の好きな派手な服はすっかりなくなっていて代わりに航大くんが購入してくれた優しい色合いのアイボリーや淡いラベンダー、グレージュの服が整然と並んでいた。
 

 持って来た服は今はチェストにしまっている。

 その中の淡いラベンダー色のフリルネックワンピースとネイビーブルーのテーラード襟にクロップド丈のジャケットを取り出した。
 一度確認をするために羽織ってから姿鏡を確認する。そこに映る自分が、以前より少し柔らかくなっていると感じる。

 だけど、私は複雑な胸のざわめきを覚えてしまい喜びと罪悪感が、交互に心を揺らす。


「……よし、これで大丈夫かな」


 ジャケットだけ脱いで部屋を出てキッチンに行くと、もう一度エプロンをつけた。テーブルにはお弁当に入れる作っておいたおかずが並べられている。二つ弁当箱を並べて置く。
 黄金色に揚がったシンプルな唐揚げに里芋がごろっと入っている筑前煮、ほうれん草の胡麻和えにふんわりとしただし巻きの卵焼きを弁当箱に入れた。そして、スープポットには彼が昔好きだと言っていた優しい味付けの味噌汁。

 そして、鶏肉とたけのこ、椎茸を刻んで餅米と共に炊いた中華おこわのおにぎりをおにぎり専用のボックスに入れた。

 
また……こんな風に彼のために料理をする日が来るなんて、夢にも思わなかったなぁなんて思いながら準備ができたお弁当たちを袋に入れてトートバックに入れる。

 
なぜこんなに張り切ってお弁当を作ったのかというと、航大くんに提案されたのだ。
 



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