エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
「いつか必ず、はるちゃんとまた一緒にこの景色を見るんだって思ってた。あの日から、俺の時計はここで止まったままだった。俺の何かが、君を追い詰めてしまったんじゃないかって。仕事が忙しすぎたのか、もっと君の気持ちに寄り添えなかったのか……毎日、そんなことばかり考えていた」
彼の告白に、胸の奥がギュッと千切れるほどに締め付けられた。でも、彼は麗に近づくために私と付き合ったんじゃないの?それで念願かなって、婚約したんじゃないの?
「はるちゃん、あの観覧車に乗ろう」
航大くんが指差した先では、巨大な観覧車が、ゆっくりと動いていた。それに乗るために列に並んで 狭いゴンドラの中は、外の喧騒が嘘のように静まり返っていた。
上昇するにつれて、眼下に広がる街の明かりが星の海のように遠ざかる。私たちは夜空の真ん中に二人きりで取り残されたような、甘く危うい錯覚に陥った。
彼は窓の外に広がるパノラマを見つめる私の横顔を、じっと熱く射抜くような眼差しで見つめていた。
「綺麗だね、航大くん」
「ああ、本当に。……でも、今の俺には、夜景よりも君の方がずっと、何倍も綺麗に見えるよ……二年前のあの日よりも、ずっと、強く」
航大くんの手が、私の頰にそっと伸びてきた。指先が肌に触れるだけで、熱を感じる。 彼の顔がゆっくりと近づくたび、心臓が耳の奥で警鐘のようにうるさく脈打った。息が浅くなり、指先が震える。