エリート救命医と身代わり花嫁の再会愛。
出来上がった朝食は見た目は少し不器用だったけれど、味は優しくて温かかった。
オムレツの形は少し崩れていたし、ミルクティーはほんの少し濃かったけどでも、そのどちらも美味しかった。
航大くんは私の隣に座り「美味しい?」と何度も確認しながら、嬉しそうに自分の分も食べ始める。その横顔が、なんだか子どもみたいで、つい微笑んでしまった。
「美味しい……航大くん、すごく上手になってる」
「はるちゃんのおかげだよ。君がいるから、俺は何でも頑張れる」
さらっと言うから、また胸が詰まりそうになった。こういう言葉を、こんなに自然に言える人なんだと二年前は知らなかった。
知る前に、離れてしまったから。知っていたようで知らないのだと思わずにはいられない。
「ミルクティー、少し濃かった?」
航大くんが少し心配そうに聞いた。
「ううん、好きな濃さだよ。……ちょうどよかった」
本当は少し濃かったけれど、嘘をついた。少しだけ罪悪感があったけどそうしたら航大くんが「よかった」と顔を緩めたから、嘘をついてよかったと少しだけ思った。
こういう小さな嘘なら、悪くないなって思えた。