娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
杏奈の両肩に手を置き、蓮人は言い聞かせるようにそう言って笑っている。

「謝るのは俺の方だ。父のことに気づかなくてごめん。今更だけど、全部教えてほしい。朱音ちゃんのことも」

両肩に置かれた蓮人の手に力が入る。

目の前には悲しみだろうか、それとも後悔。

いくつもの感情が混じる蓮人の瞳に促されて、杏奈はためらいがちに口を開いた。

「あの日、妊娠していることがわかって、蓮人さんにどう伝えようかなってそわそわしていたんです。でも、蓮人さんのお父さんとお見合い相手……駒田さんが現れて」

「申し訳なかった」
 
杏奈の話に静かに耳を傾けていた蓮斗が、苦しげにそう言って顔を歪めた。

「今さらどれだけ謝っても許してもらえるとは思わないが、父のこと、気づいてやれなくて本当に申し訳なかった」

蓮斗はソファに並んで座る杏奈に体を向け、頭を下げる。

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