娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「蓮斗さん、あの、謝らないでください。蓮斗さんに確認しなかった私が悪いんです。だから、蓮斗さんは悪くなくて」

「これだけは信じてくれないか? 俺は杏奈以外の誰とも結婚するつもりはなかったし、見合いの話もその場で断った」

蓮斗はキッパリとそう言って、苦笑いを浮かべた。

「だけど、これも今さらだな。俺は杏奈が苦しんでいる時になにもしてやれなかった。父が杏奈の存在を調べて押しかけることくらい、想像できたはずなのに」

「蓮斗さんのせいじゃありません」
 
杏奈はとっさに蓮斗に身を寄せ、何度も首を横に振った。

「私が先走って別れるって決めたから。あの時蓮斗さんにお父さんのことを打ち明けていたらよかったんです」

妊娠していて精神的に不安定だったとしても、冷静になるべきだった。

あの時別の決断をしていれば、誰も苦しまなかったはずだ。

< 103 / 249 >

この作品をシェア

pagetop