娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
それはよくわかっている。

今さら謝っても、蓮斗に許してもらえるとは思っていない。

だったら自分はこれからどうやって蓮斗に償えばいいのだろう。

「今さら後悔しても仕方がないんだよな」

「……え?」

蓮斗の声音が変わったような気がして、杏奈はおずおずと顔を上げた。

蓮斗は肩から力を抜き、ホッと息をついた。

「朱音ちゃんのことを知ってから、杏奈にどう償えばいいのか考えて考えて。結局、答えは出せなかった。今さら悩んでもどうにもならないことはある。そういうことかもな」

「あの、蓮斗さん?」

落ち着きを取り戻した蓮斗に、杏奈は戸惑った。

「だけどこれから先は、後悔したくないしするつもりもない。なによりも杏奈を大切にして幸せにしたいし、朱音ちゃんのことを知りたい」

蓮斗は杏奈に向き合い、大きな笑顔を見せた。

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