娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
おまけに大企業の後継者という特別な立場で新しい仕事に就くという、それだけでも相当な気苦労を抱えていたはずなのに、杏奈が消えて余計な負担を背負わせてしまった。
「今さらなのは私の方です。蓮斗さんのためって言って、結局蓮斗さんを困らせただけ。謝っても謝りきれないのは私で……。それに」
いつの間にか目尻に浮かんでいた涙を、杏奈は手の甲で拭った。
「朱音のことを、黙っていてごめんなさい」
それがなにより罪深い。
「蓮斗さんから父親になる権利を奪ってしまって、本当にごめんなさい」
朱音の笑顔に幸せを感じるたび、蓮斗もこの幸せを手にする権利があるのにと罪悪感に震えることもあった。
だからといって家庭を持った蓮斗を悩ませるわけにはいかず、朱音のことを知らせるつもりはなかった。
「今さらだな」
杏奈はピクリと体を震わせた。
「そうですよね。今さら、ですよね」
「今さらなのは私の方です。蓮斗さんのためって言って、結局蓮斗さんを困らせただけ。謝っても謝りきれないのは私で……。それに」
いつの間にか目尻に浮かんでいた涙を、杏奈は手の甲で拭った。
「朱音のことを、黙っていてごめんなさい」
それがなにより罪深い。
「蓮斗さんから父親になる権利を奪ってしまって、本当にごめんなさい」
朱音の笑顔に幸せを感じるたび、蓮斗もこの幸せを手にする権利があるのにと罪悪感に震えることもあった。
だからといって家庭を持った蓮斗を悩ませるわけにはいかず、朱音のことを知らせるつもりはなかった。
「今さらだな」
杏奈はピクリと体を震わせた。
「そうですよね。今さら、ですよね」