娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
まるで朱音の存在を知らずにいた時間を取り戻すかのような、切実で強い眼差し。

杏奈の胸が、罪悪感でチクリと痛んだ。

やがて軽快なメロディーが流れ始め、朱音たちの演技が始まった。

「わあー、おっきい」

朱音は目の前に運ばれてきたバースデーケーキに目を輝かせ、手を叩いた。

朱音が大好きなイチゴやブルーベリーがたっぷり。

真ん中にはお誕生日おめでとうと書かれたチョコプレート。

そして四本のキャンドルが、炎を揺らしている。

「お誕生日おめでとう。去年みたいにふーしようか」

「うんっ」

朱音は大きな声で答えると、身を乗り出して勢いよく息を吹きかけた。

すると四つの炎はひと息で消え、朱音はどうだとばかりに誇らしげな笑みを浮かべた。

「おめでとう。……朱音ちゃん」

朱音の向かいの席から、蓮斗が固い笑顔で声をかける。

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