娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
『朱音ちゃんはケロリとしていて元気です。すぐにお隣の小児科に連れて行って手当も終わっています』

「よかった……」

普段から活発でいつも動き回っている朱音がすり傷を作るのはしょっちゅうだ。

本人も慣れているのかその程度で泣くことは滅多にない。我慢強い性格は杏奈譲りともいえる。

「病院まで、ありがとうございます」

ひとまず治療が終わりケロリとしていると聞いて、安堵する。

『いえ、ただ……』

「ただ?」

続く申し訳なさそうな声に、杏奈はド心配になる。

『脚以外にも手や腕もすりむいていて……朱音ちゃんは平気だと言ってるんですけど痛みがあると思うんです。なので、できればお迎えに来ていただけないでしょうか』
 
時計を見ると十四時半。

比較的店にも余裕がある時間帯だが、朝から人出が足りずようやく落ち着いてきたばかり。

他のメンバーに迷惑をかけるのは心苦しい。

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