娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
杏奈は朱音にお茶を手渡し、タオルで朱音の額に浮かぶ汗を拭った。

「お茶もいいけど、そろそろご飯を食べに行こうか」

「うんっ。ママのお店でハンバーグが食べたい」

朱音が目を輝かせる。

「ハンバーグ、いいね。でも、今日はいつもと違うママのお店で食べようか」

「違うママのお店?」

朱音はきょとんとし、蓮斗に顔を向けた。

「違うママの店って、なに?」

「ごめん、俺も聞いてないんだ」
 
蓮斗も首をかしげる。

「ふうん。ママ、それってどこ? ハンバーグある?」

「別のお薦めの店でもあるのか?」

蓮斗も意外そうな顔で杏奈を見やる。

「うわあ……」

蓮斗と朱音。ふたりからそろって見つめられて、杏奈はつい声を漏らした。

意志が強そうな凜とした眼差しやシャープな輪郭。少し茶色がかった瞳の色もふたりはそっくりだ。

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