娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「俺は駒田さんと結婚するつもりはもちろんないし。というより、杏奈以外の誰とも結婚するつもりはない。このことは父にハッキリと言ってるから心配しなくていい」

蓮斗はダイニングテーブルに身を乗り出し、きっぱりとそう言った。

「は、はい」

まるで杏奈の想像を察したかのようなタイミングに、驚いた。
けれど、それ以上に気になる言葉があった。

「あの、今結婚って言いました……?」 杏奈はおずおずと問いかけた。

「聞こえてなかったのか?」

「い、いえ、そういうわけじゃ」

杏奈は気まずげに、笑顔を返す。

二度と蓮斗と離れない。その決意は固いが、この先ふたりでどう生きていくのかは、まだなにも話していない。

朱音のこともこれからの話だ。

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