娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「は……どうして。俺は杏奈と結婚するつもりでいたんだけどな。杏奈は違ったのか?」

蓮斗は寂しげに目を細めた。

「そうじゃないんです。でも……」

杏奈は頭の中で、まとまらない気持ちを整理する。

「私、蓮斗さんと別れたことを後悔していたというか、取り返しがつかないことをしてしまったと思っていて」

「杏奈……」

蓮斗は静かに首を横に振り手を伸ばすと、杏奈の手を優しく包み込んだ。

杏奈のせいじゃないという蓮斗の気持ちはありがたいが、手から伝わる温かさに後押しされて、杏奈は話を続ける。

「蓮斗さんから離れたあと、ずっと寂しくて苦しくて。でもそんなことを思う資格はないから我慢していたんです。でもやっぱり苦しくて、朱音がいなかったら頑張れなかった」

当時のことを思い出すと、途端に落ち込みそうになる。

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