娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
思わずこぼれ落ちた言葉に、蓮斗の父が噴き出し笑い声をあげている。

「お前、親バカだな」

クックと笑いながらも、蓮斗の父も目を細めて夢中で朱音を見つめている。

「本当にかわいらしいな。頭もよさそうだし、今から英才教育を受けさせるのもアリじゃないか。なんなら小学校受験に特化した塾を紹介するぞ」

「だから、そういうことはまだ早いし……」

「我が社初の女性社長っていうのも悪くないな」

「父さん……」

蓮斗はひとり想像を膨らませる父をあきれ顔で見つめ、肩を落とした。


   *   *   *


いざ着て見ると、サイズはぴったりだが肩の露出が大きいような気がする。

シルクに施されている刺繍はとても丁寧で上品。ひと目で気に入った。

けれど、人前に立つことを考えると、なんだか恥ずかしい。

気に入ったとはいえ、あきらめた方がいいかもしれない。

「新婦様、いかがでしょうか」

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