娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
このペースだと、カラードレスをあと二着選ばなければならないのに、間に合いそうにない。

「すみません……。もう、なにがいいのかわからなくて。これは露出が大きすぎると思いませんか?」

すでに五着の試着を終えても尚決まらないウェディングドレス。試着室の鏡の前で、杏奈は困り果てていた。

「新婦様、入らせていただきますね……まあまあ、すごくお似合いですよ」

朗らかな声とともにカーテンが開き、担当者の女性が今日一番の笑顔を見せた。

疲労困憊の杏奈と違ってさすがプロ。

白無垢、色打掛けから続く試着にも、少しの疲れも見せず笑顔を絶やさない。

「デコルテがお綺麗ですので、その程度の露出は問題ないと思います。シルクにも刺繍が施されていて上品なイメージですし……今までで一番お似合いですよ。新郎様はいかがですか?」

担当者に呼ばれて、早々にすべての衣装が決定している蓮斗が顔を覗かせた。

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