娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
『ねえ蓮斗、今日突然来たかと思ったら急いで帰ったけど、なにかあったの?』

挨拶もなしに予想どおりの言葉が聞こえてきて、思わず苦笑する。

「いや、別に」
 
杏奈には母に用があったと言ってごまかしたが、朱音ちゃんのことが気になって思いつきで顔を出したのだ。

『嘘おっしゃい。朱音ちゃんと話していたわよね。それからすぐに幼稚園を出て行ったから気になっていたのよ』

「……大した理由はないよ」

『大した理由でしょ? だって、朱音ちゃんはあなたの子でしょ?』

「……気づいてたのか?」

 蓮斗は肩をすくめた。母の目はあなどれない。

「気づかないわけないでしょ。この間朱音ちゃんを迎えにきたお母さんとあなたの様子を見たら、なにかあるって誰でもわかるわよ。それに、言われてみたら朱音ちゃんと蓮斗、よく似てるもの」

「……相変わらず勘がいいな」

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