娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません

ようやく再会できたのだ、二度と離れるつもりはない。


   *  *  *

 
「先生、上手って言ってたー」
 
玄関の姿見の前でダンスの練習をしていた朱音が、ポーズを決めて振り返った。

自分の動きに納得したのか、満足そうに笑っている。

「そっか。よかったねー」

主語のない三歳児の言葉には想像力が大切。

杏奈はスマホを朱音に向けたまま、笑顔を返した。

「今もすごく上手に踊ってたよ。運動会が楽しみだね」

「うんっ。楽しみー」

朱音は表情をほころばせると、その場でくるくると回り始めた。

ここ数日、朱音は運動会で披露するダンスの練習をしてから布団に入るようになった。

その日幼稚園で練習したパートを「ママ見てー」と上機嫌で見せてくれるのだ。

日に日に動きが大きくなり、今日は最初から最後まで通して踊っていた。

表情も豊かでかわいらしい。

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