娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「それは特許管理部の回答を待った方がいいな。裁判の判例なら俺が用意するから慌てなくていい。いや……まあ、そうなったら戦うまでだな」

すっと背筋を伸ばし、蓮斗は語気を強めた。

凜とした横顔は弁護士をしていた頃と同じ。

たとえ仕事が変わっても、向き合う熱量は変わっていないようだ。

「今回ばかりは法律をないがしろにするとどうなるか、反省してもらわないと。とにかく俺が責任を持って動くから、部長にはそう報告しておいてもらえないか。昼から俺も顔を出して説明しておくから……悪いな」

電話の相手は部下だろうか、キッパリとした口調に滲む温かな気遣い。

今も変わらず面倒見がよさそうだ。

ふと文化祭の実行委員長をしていた蓮斗を思い出して懐かしくなる。

やがて蓮斗が会話を終えるのを待って、杏奈は蓮斗の傍らに歩を進めた。

「忙しそうですね。わざわざ来てもらってごめんなさい」

「杏奈……」

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