娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
蓮斗は杏奈に気づくとホッとしたように目を細め、スマホを置いた。

「俺の方こそ休みなのに来てもらって申し訳ない」

「それは全然。私からお願いしたので、大丈夫です」

蓮斗と向かい合ってふたりきりで話すのは五年ぶり。

おまけに蓮斗を呼び出した理由を考えると落ち着かず、そわそわしながら蓮斗の向かいに腰を下ろした。

アイスコーヒーを注文すると、蓮斗からなにか言いたげな目を向けられた。

「紅茶じゃないのか?」

そうだった、と杏奈は思い出した。

「あの頃は苦くて全然飲めなかったのに、今は紅茶よりもコーヒー派なんです」

「へえ。前はカフェでバイトしてるのにコーヒーが苦手で悔しいって言ってたよな」

「よく覚えてますね。バイト先で、そう言ってよくからかわれました」

杏奈が蓮斗と親しくなったきっかけのバイト先は、こだわりのコーヒーが評判の店だった。

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