まずは結婚してからだ
 それに友人たちと気安く言葉を交わす匠の笑顔は満ち足りていて、パイロットの制服をまとっている時と同じくらいカッコいい。
あまりにも魅力的で、目が離せない。

「青井先輩のテーブル、すごく賑やか。先輩って新郎と友達なんですか? 監督、なにか知ってます?」

「ああ。青井なら披露宴の前に挨拶に来て、新郎が大学時代の友達だって言ってたな」

 今も現役で指導を続けている監督が、そういえばと説明する。

「へえ、すごい偶然。皐も知らなかったのかな」

 皐を見ながら、彩芽がつぶやいた。

「今日まで気づかなかったらしいぞ。まあ、これだけ大勢招待したら相手側の顔ぶれなんていちいち覚えてないか」

 監督はそう言って、ニヤリと笑った。

「青井も今じゃイケメンパイロット。結婚の予定どころか恋人もいないようだし狙い目じゃないか?」

 軽く酔っているのか、監督は楽しげにそう言ってテーブルを見回した。

「無理ですよ。青井先輩を狙うなんて現実離れした話だよね。私たちが相手にされるわけないし」

 笑い飛ばす彩芽にテーブルにいる女性陣が一斉にうなずいた。

「いつも飄々としていて掴みどころがないし。不機嫌な顔って見たことないよね。みんなに優しいし」

「それにプライベートって謎だよね。そういうミステリアスなところも魅力的」

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