まずは結婚してからだ
「すみません。なんだか愚痴っぽくなっちゃいましたね」
我に返り、花梨は慌てて頭を下げた。
ただでさえ時間をかけて花梨を送ってくれているのに、愚痴を聞かせて申し訳ない。
「そういうお客様が毎日いらっしゃるわけではないし、私が気にしすぎているだけなので、大丈夫です。とにかく、さっきの男性が間に合っていたらいいですね」
花梨は気持ちを切り替えるようにそう言って、フロントガラスの向こうに見える空を見上げた。
「ここは飛行経路から外れてるから見えないよ」
「ですよね」
羽田空港では、空港周辺の風向きや首都圏の気象状況を勘案して飛行経路が決まるが、どの経路を採用したとしても、ここからは見えない。
それはわかっているが、習慣もあり空を確認してしまうのだ。
「弟が飛行機が大好きで、ふたりでよく空を眺めていたんです。羽田にもしょっちゅう連れて行きました。展望デッキで昼も夜も食事することもあったんです」
「ああ、弟さん、あの頃熱心に見てたな。あ、いや。弟さん、かなりの航空機マニアだな」
「はい、そうなんですけど……あの頃?」
いったいなんの話だろう。
花梨は夜空から匠に視線を戻した。
「いや、俺も。そう、俺も子どもの頃は熱心に飛行機を眺めていたって。そういう話」
匠は前方を見つめ、口早に答えた。
「なるほど」
花梨は納得し、うなずいた。
我に返り、花梨は慌てて頭を下げた。
ただでさえ時間をかけて花梨を送ってくれているのに、愚痴を聞かせて申し訳ない。
「そういうお客様が毎日いらっしゃるわけではないし、私が気にしすぎているだけなので、大丈夫です。とにかく、さっきの男性が間に合っていたらいいですね」
花梨は気持ちを切り替えるようにそう言って、フロントガラスの向こうに見える空を見上げた。
「ここは飛行経路から外れてるから見えないよ」
「ですよね」
羽田空港では、空港周辺の風向きや首都圏の気象状況を勘案して飛行経路が決まるが、どの経路を採用したとしても、ここからは見えない。
それはわかっているが、習慣もあり空を確認してしまうのだ。
「弟が飛行機が大好きで、ふたりでよく空を眺めていたんです。羽田にもしょっちゅう連れて行きました。展望デッキで昼も夜も食事することもあったんです」
「ああ、弟さん、あの頃熱心に見てたな。あ、いや。弟さん、かなりの航空機マニアだな」
「はい、そうなんですけど……あの頃?」
いったいなんの話だろう。
花梨は夜空から匠に視線を戻した。
「いや、俺も。そう、俺も子どもの頃は熱心に飛行機を眺めていたって。そういう話」
匠は前方を見つめ、口早に答えた。
「なるほど」
花梨は納得し、うなずいた。