まずは結婚してからだ
花梨は五歳の時に両親が離婚し母親に引き取られたが、その後再婚が決まった母親は元夫である花梨の父に親権を譲った。
当時、花梨の父もすでに再婚していて、新しい妻、茉奈加との間に息子・幹太が生まれ穏やかな日々を過ごしていた。
そんな中、突然花梨を押し付けられた父と茉奈加が困惑したのは簡単に想像できるが、それでもふたりは花梨を温かく迎え入れ、十分な愛情を注いでくれた。
その日から今日まで、父や茉奈加、そして幹太は花梨にとってかけがえのない家族であり、生きる意味を与えてくれた大切な存在。
とくに幹太は、共働きの父と茉奈加に代わって面倒を見てきたこともあり、母親が違うとはいえかわいい弟だ。
今日会えないのは寂しいが、幹太が幸せならそれが一番。
恋人とのキャンプも楽しかったようで、安心した。
揃って医学部に通っている恋人の結花とは高校時代からの付き合いで、医師免許取得後はすぐにでも結婚すると言い出しそうなほど仲がいい。
ウェディングドレス姿の結花に蕩けるような眼差しを向ける、タキシードがばっちり似合っている幹太。
想像するだけで幸せな気持ちになって、頬が緩んでしまう。
「このホテルで結婚式っていいかも……いい。絶対にいい」
花梨はひとり盛り上がって、つい声を漏らした。
その時。
「沢野さん、だよね」
「え?」
ハッと視線を上げると、見覚えのある顔が目に入った。
当時、花梨の父もすでに再婚していて、新しい妻、茉奈加との間に息子・幹太が生まれ穏やかな日々を過ごしていた。
そんな中、突然花梨を押し付けられた父と茉奈加が困惑したのは簡単に想像できるが、それでもふたりは花梨を温かく迎え入れ、十分な愛情を注いでくれた。
その日から今日まで、父や茉奈加、そして幹太は花梨にとってかけがえのない家族であり、生きる意味を与えてくれた大切な存在。
とくに幹太は、共働きの父と茉奈加に代わって面倒を見てきたこともあり、母親が違うとはいえかわいい弟だ。
今日会えないのは寂しいが、幹太が幸せならそれが一番。
恋人とのキャンプも楽しかったようで、安心した。
揃って医学部に通っている恋人の結花とは高校時代からの付き合いで、医師免許取得後はすぐにでも結婚すると言い出しそうなほど仲がいい。
ウェディングドレス姿の結花に蕩けるような眼差しを向ける、タキシードがばっちり似合っている幹太。
想像するだけで幸せな気持ちになって、頬が緩んでしまう。
「このホテルで結婚式っていいかも……いい。絶対にいい」
花梨はひとり盛り上がって、つい声を漏らした。
その時。
「沢野さん、だよね」
「え?」
ハッと視線を上げると、見覚えのある顔が目に入った。