こもれび日和
劇の後、園児全員がステージに並び、
お遊戯会最後の曲「ありがとうのうた」を歌い始めた。

歩は一生懸命背筋を伸ばし、
直は緊張しながらも口を大きく開けて歌っている。

その姿を見た蘭は、
ポロリと涙をこぼした。

律もそっと目頭を押さえる。

「こんなに大きくなったんだな……」

2人の胸は誇らしさでいっぱいになった。


お遊戯会が終わり、
家に帰ると、
律が朝から仕込んでいた
特製ごほうびプリン が冷蔵庫に並んでいた。

「えっ!?プリンだ!!」
歩が飛び跳ねる。

直も皿を抱えながら
「やったぁ……!」と笑顔。

プリンには生クリームと小さな星形のクッキーが飾られており、
まるで宝石みたいだった。

スプーンを入れた瞬間――とろり。

「おいしいーー!!」
「きょういちばんのおいしさ!!」

律は嬉しそうに、

「ふたりともよくがんばったからな。
これはごほうびだよ」

蘭も笑う。

「ほんとに立派だったよ。
ライオンさんもウサギさんも、すごくかわいかった!」

歩と直は照れくさそうにしながら、
プリンをぺろりと平らげた。

その夜の春夏秋冬家は、
温かい余韻と甘いプリンの香りに包まれていた。
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