こもれび日和
ふたりの間に、
まだ何も決まっていない未来の話が
小さな湯気のように立ちのぼっていく。

数週間後。

出版社との打ち合わせは、
予想以上に現実味を帯びていた。

編集者は三十代くらいの、
穏やかな女性だった。

「ブログの雰囲気そのままに、
 春・夏・秋・冬の四章構成でどうでしょう。
 一つ一つのレシピに、
 短いエッセイを添えていただいて」

「そんなのでいいんですか」

「いいんです。
 春夏秋冬さんの文章、
 『誰かの生活の隣に置きたい』って
 感じるんです」

律は、
恥ずかしさと嬉しさで
どうにかなりそうだった。
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