こもれび日和

現実

スマホを掴んで、
登録してある「春夏秋冬律」の名前を押す。

三度目のコールで、
少し息の上がった声が出た。

『もしもし、蘭さん?』

「律さん……!」

声を出した途端、
涙があふれて止まらなくなった。

『ど、どうした!? 大丈夫!?』

「だ、だいじょ、ば……ない、です……」

『えっ、どっち!?』

息の合間に、
封筒のこと、
受賞のことを、
途切れ途切れに伝える。

『……本当に?』

「ほ、ほんとに……
 ちゃんと、『受賞』って書いてあります……」

電話口の向こうで、
ほんの一瞬、静寂があった。

それから。

『——よっしゃああああ!!』

鼓膜が震えるほどの歓声に、
思わず笑ってしまう。

『おめでとう、蘭さん。
 本当に、おめでとう』

「ありがとう、ございます……」

涙と笑いが入り混じった声を出しながら、蘭は、
(あぁ、真っ先にこの人に伝えたかったんだ)
という事実が、
胸の奥に静かに沈み込んでいくのを感じた。
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